2013/12/10

51人目の仕事




Aさんは製造業X社に従事しています。
従業員数3000人の大企業です。




Aさんは新製品開発部所属です。
50人ぐらいの大きな部署です。






開発部の中には開発チームが3個あります。








Aさんは開発担当者の一人です。
Aさんは奇抜な発想で
部署を引っ張るエースプレイヤーです。




Aさんが昨年キープレイヤーとなって開発した製品は
近年まれにみるヒットとなり、X社の売上の1/5を占めます。




Aさんは3000人のX社の中の一人にすぎませんが、
Aさんの仕事は一人で50人分に匹敵すると言われています。







・・・一人で50人分?











例えばAさんがX社から独立し、設計事務所を一人で始めたとします。






あいも変わらず、素晴らしい発想で製品を開発します。






お客さんも大喜びです。







Aさんは工場を持たないので、
知り合いに量産化を委託しました。
Aさんはここでも素晴らしい交渉力を発揮します。







あれ?
会社が一人だと、どれだけ素晴らしい働きだったとしても、
『一人分の働き』じゃないの?







X社の話に戻ります。
Aさんの隣に、Bさんという人がいます。
力量は並。目立つところもなく地味。
技量的に低いわけではなく、
良くも悪くも一人分の働きをするプレイヤーです。
仕事も地味で、X社の基礎技術開発を行っています。







ある日、Aさんが会社を辞めてしまいました。
エースプレイヤーAさんの穴を埋められる人材はいません。


















Bさんの仕事は地味ですが、X社の基礎技術です。
Bさんの開発した技術はX社の売上の1/5に貢献しています。

Aさんの『50人分の働き』は、
Aさんがいなくなればだれか他の人の仕事が『50人分の働き』に置き換わります。
会社はそうやって今日も3000人で回っています。










もう一人、Bさんの隣のCさんの話をしましょう。
Bさん同様、力量は並。目立つところもなく地味。
技量的に低いわけではなく、
良くも悪くも一人分の働きをするプレイヤーです。






Aさんが辞めた後キープレイヤーとなったBさんとは異なり、
Cさんはその後も地味。
あいも変わらず、一人分のプレイヤーです。






ある日、Cさんは転職して
Aさんの会社に移ることにしました。






Aさんは超優秀ですが多忙です。
Cさんの仕事はAさんの助手です。






50人力と言われたAさんの仕事をお客さんに紹介したり、






50人力と言われたAさんの仕事を量産する工場と交渉したり。








これは何人分の仕事?
1人分? 51人分? それとも 2人分?
Cさんがしている仕事はそのうち何人分?








組織を動かすもの
リーダーシップ
コピーアンドペースト
ドラッグアンドドロップ
エースプレイヤー組織論
会社を構成するもの
51人目の仕事